アルデンテ/ゴーオン





 アルデンテってなぁに?と早輝に問われ、芯を少し残してゆでたパスタのこと、と連は答えた。すると、早輝は笑って、よかったと答えた。
「何がよかったッスか?」
「間違って覚えてるんじゃないかなーと思ったの」
「なるほど」
 おそらく、昼間バルカがノリノリでしゃべりまくっていた言葉を、内心首を傾げながら聞いていたに違いない。連自身、別の意味で首を傾げながら聞いていた。芯は熱い奴とか、同じラテン系の血、とか。
 炎神には血もないと思うのだが、オイルがその代わりなのだろうかなどとちょっと考えた。
 そんな益体もない回想をしていると、早輝はエンジェルの名にふさわしい笑顔で、にっこりと言った。
「アルデンテって範人みたいだよね」
「……は?」
 不覚にも、連は間の抜けた声を返すことしかできなかった。
「だって、範人ってばいつもはふにゃふにゃしてるのに、戦うときになったらしゃきって頑張ってるでしょ?」
「だから……アルデンテ?」
「そう思わない?」
 嬉しそうに同意を求められても、連は何とも答えがたかった。
 戦っているときまでふにゃふにゃといい加減なままでいられては困る、というのが半分。戦うときにしゃきっとしている範人、という姿に、いまいち心当たりがないのが半分。確かに、ケガレシアからバルカを奪い返そうと必死になっている姿は、ゴーオンジャーらしい姿だったかも知れない。だが、しゃきっとしていたかと言われれば――いまいちうなずけない気がする。
 いいようにやられていたし、罠にかけたと見せかけて逆にやられていたし。
「アルデンテって見かけじゃわからないでしょ?」
「わからないなぁ、確かに」
「だからね、きっと、範人も見かけじゃわからないけど、ほんとはすっごく熱いんだと思う」
「アルデンテだから?」
「うん、アルデンテだから」
 アルデンテ。何度も繰り返すうちに、頭の中が妙にもつれたパスタになりそうな気がした。

*  *  *

 範人ってそんな感じ。